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第4回|「嫌だ」と言えない私を卒業する

この連載は、

【自分の人生に戻る9つのプロセス】の4回目です。

 

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NOを出すたびに、何かを失ってきた私へ

 

私は、自分が「断れない人」だと思っていました

 

振り返ると私は、

ずっと「断れない人」でした。

 

頼まれると引き受けてしまう

無理でも「大丈夫」と言ってしまう

本当は嫌でも、笑ってやり過ごす

 

そして後から、

どっと疲れる。

 

「嫌だ」と言えなかったのは性格ではなかった

 

子どもの頃、

私は「嫌だ」「悲しい」という気持ちを

何度か言葉にしたことがあります。

 

幼稚園に行きたくない朝

引っ越しが決まって、転校する最後の日

 

でもそのとき母から返ってきた言葉は、

「行きなさい」

「いつまで泣いてるの」

でした。

 

怒鳴られたわけではありません。

それ以上責められたわけでもありません。

 

でも、

その一言で、

何かが終わった感覚がありました。

 

NOを言うと、つながりが切れると学んだ体験

 

 

後になって思えば、

母にも事情があったのだと思います。

 

そう言うしか時間に余裕がなかったことも、

きっとあった。

 

けれど、

当時の私にとってあの瞬間に起きたのは、

「叱られた」よりも、

突き放されたという感覚でした。

 

泣いている理由を聞かれることも、

悲しさを説明する時間もなく、

「感情を止めて、前に進むこと」

が求められました。

 

そのとき、

私の中で

とても静かな学びが起きました。

 

「悲しいと言うと、

つながりが切れる」

「嫌だと言うと、

置いていかれる」

 

それは、

頭で考えた結論ではありません。

体で覚えた感覚でした。

 

それ以来、

私は無意識に選ぶようになります。

 

泣かない

感じない

早く切り替える

 

そうしていれば、

少なくとも関係は続く気がしたからです。

 

NOを言えなかったのは弱さではありません

 

NOを言うには、

ひとつ前提が必要です。

 

それは、

言っても大丈夫だという安全感

 

話を聞いてもらえる

否定されない

関係が壊れない

 

でも私の原体験には、

それがありませんでした。

 

助けを求めて、

それが叶わなかった体験が重なると、

人はやがて期待することそのものをやめていきます。

 

「どうせ聞いてもらえない」

「どうせわかってもらえない」

 

そう感じるようになると、

人はNOを言わなくなるのではなく、

言う前に希望を閉じるようになります。

 

たとえ口では理由を聞いてくれたとしても、

私はもう何も話せなくなっていました。

 

頭が真っ白になり、

何をどう伝えたらいいのか分からなくなる。

 

本当は言葉がなかったわけではなく、

言葉にたどり着く前に、

体が止まってしまっていたのだと思います。

 

「話してごらん」と言われても、

もう、

話せる場所ではありませんでした。

 

それは、話す力がなかったのではなく、

話しても安全だと感じられなかったのだと思います。

 

大人になっても体が反応してしまう理由

 

 

大人になった私は、

表面上は自由でした。

 

でも内側では、

NOを言おうとすると、

体が固まる。

 

喉が詰まる

言葉が出てこない

本音を後回しにしてしまう

 

頭では、

「言っても大丈夫」

と分かっていても、

 

体は

「危険だ」

と反応していました。

 

今なら分かります。

 

NOを言えなかったのは、

勇気がなかったからではありません。

 

言うと、

つながりが切れると

体が知っていたからです。

 

NOを言えない人は、実はとても周囲を見ている

 

NOを言えない人は、

自己主張が苦手なのではありません。

 

むしろ、

相手の反応をよく見ている

空気の変化に敏感

関係の微妙な揺れを察知する

とても繊細なセンサーを持っています。

 

それは、

幼い頃に身につけた生存能力でした。

 

今、私が少しづつ練習していること

 

 

私は今、

いきなり「NO」を言う練習はしていません。

 

その前に、

今、嫌だった

今、無理だった

今、疲れている

 

そう、

自分の中でNOを認める

ところから始めています。

 

声にださなくてもいい。

行動を変えなくてもいい。

 

まず、

自分にだけは嘘をつかない。

 

それだけで、

体の緊張が少し緩むことがあります。

 

NOは拒絶ではなく、境界線です

 

NOは、

誰かを突き放す言葉ではありません。

 

本当は、

自分を守るための境界線です。

 

でも、

境界線を引くたびに

怒りが返ってくる世界では、

NOは危険な行為でした。

 

NOを言えなかった私の奥には、

つながりを失いたくなかった、

小さな私がいました。

 

次回予告|境界線を引くと罪悪感が出てくる理由

 

次回は、

「境界線を引くと、罪悪感が出てくる理由」

について書こうと思います。

 

NOを言おうとすると、

なぜあんなに

「悪いことをしている気持ち」

になるのか。

 

その正体を、

ここまでの話の続きとして書いていきます。

 

最後に

 

もしこの記事を読んで、

「断れない自分を責めてきた」

「NOを言えない自分が嫌だった」

そんな気持ちが浮かんだなら。

 

どうか知ってください。

 

あなたは、

安全がない場所で、

最善を尽くしてきただけです。

 

この連載が、

少しづつ

「NOを言っても壊れない世界」を

頭ではなく、

体で思い出していく場所になれたら嬉しいです。

 

前向きにならなくていい。 答えを出さなくてもいい。「今の自分に戻るための場所」

このLINEでは、 がんばらなくてもいい時間を大切にしています。 前向きになれない日も、 何も決めたくない日も、 そのままのあなたで大丈夫。 自分のペースを思い出すための やさしい言葉をお届けします。

  • この記事を書いた人

藤井千恵

安心を土台に、 自分に戻る感覚を取り戻していくサポートをしています。
答えを出すことや、 前向きになることを急がず、 人生を全体として見渡す時間を大切にしています。

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