無理せず、日常で行動が変わり始める
目次
疎外感を避けて生きてきた私
振り返ると私は、
怒られるよりも、
疎外されることを
ずっと怖れていました。
強く否定されるより、
何も言わないまま
輪の外に置かれること。
その感覚の方が、
私にはずっと苦しかった。
子どもの頃から、
その気配はありました。
はっきりと
仲間はずれにされた
という出来事があったわけではありません。
でも、
話題に入れていないと感じたとき
笑ってはいるけれど、どこか距離を感じるとき
自分が、ここにいていいのか分からなくなったとき
胸の奥が、
ひやっと冷える。
今、私はここにいていいのだろうか
そんな感覚が、
いつもどこかにありました。
だから私は、
自然と選んでいました。
空気を読む
目立たないようにする
違和感があっても言わない
場に合いそうな役割を引き受ける
そうしていれば、
少なくとも輪の中にはいられる気がしたからです。
この選択は、
弱さからではありませんでした。
疎外されないための、
とても現実的な方法でした。
だから私は、
怒りを出すことも、
NOを言うことも、
できるだけ避けてきました。
つながりを失わないために、
自分を後回しにする
という選択の、
もっとも根っこの部分でした。
大人になっても、
その感覚は形を変えて続いていました。
職場で。
コミュニティで。
親しくなった人との関係で。
自分の意見を言う前に、
相手の反応を想像する。
これを言ったら、
浮いてしまわないだろうか
そんな確認を、
無意識にしていました。
私は「断れない人」だったのではありません
ずっと、断りたかったのです
振り返ると、
私は断れない人だったのではありません。
ずっと、断りたかった。
本当はやりたくなかった
本当は無理だった
本当は引き受けたくなかった
その気持ちは、
ちゃんと最初からありました。
ただ、
それを外に出すことが、怖かったのです。
断りたい気持ちは最初からあった

頼まれた瞬間、
何かを求められた瞬間、
私の中には、
小さな声が確かにありました。
「それは無理かもしれない」
「今は他のことを優先したい」
「本当は、やめておきたい」
でもその声は、
表に出る前に、
すぐに別の声にかき消されました。
そして、
我慢が重なると、
ある日突然、
強い感情が出てくる。
相手を戸惑わせてしまい、
あとで自己嫌悪になる。
それもまた、
疎外感を避けるために
ため込んできた結果でした。
断らないことは優しさではありませんでした
今ならわかります。
私は、
つながりたかっただけでした。
誰かの輪の中に、
安心して居場所を持ちたかった。
その願い自体は
とても自然なものです。
ただその方法が、
自分を消す形になっていただけでした。
それは優しさではなく、
安全を守るための選択でした。
断らなければ、
怒りは起きない。
波風は立たない。
場は保たれる。
私は、
そうやって生き延びてきました。
自分を優先することが怖かった理由
自分を優先するということは、
私にとって、
誰かを怒らせるかもしれない
関係が壊れるかもしれない
自分が悪者になるかもしれない
そんなイメージと結びついていました。
だから、
断りたい気持ちがあっても、
それを押し込める。
そして、
私が我慢すればいい
そう結論づけてきました。
でも、断りたい気持ちは消えませんでした
断らなかったからといって、
気持ちが消えるわけではありません。
疲れとして残る
モヤモヤとして溜まる
体が動かなくなる
断りたい気持ちは、
形を変えて、
ずっと内側にあり続けました。
断りたかったのは、
わがままだったからではありません。
私は、
自分の時間
自分の感覚
自分の限界
を大切にしたかったのだと思います。
断れなかったのは、
その大切なものを守る方法が、
まだわからなかっただけでした。
今、私が少しづつしていること

今の私は、
少しづつ違う選択ができるようになっています。
疎外されないために
自分を小さくするのではなく、
私は今、
どう感じているのか
そこに、そっと戻ること。
私は、断りたかった
私は、無理だった
私は、嫌だった
自分の気持ちを、
自分が認めてあげる。
それだけで、
胸の奥が少し緩むことがあります。
少しづつですが、
無理なことを引き受けなくなる
自分の感覚を大切にできる
人の反応に振り回されすぎなくなる
そんな変化が、日常の中で起き始めています。
自分を優先することは関係を壊すことではない

自分を優先することは、
誰かを突き放すことではありません。
本当は、
自分を消さずに関係を続けるための選択です。
でも、
自分を優先した瞬間、関係が切れる
自分の気持ちを出すと、見捨てられる
甘えたら、受け取ってもらえない
そんな中で育った私には、
そう感じられなかった。
だから、ずっと断れなかった。
それだけのことだったのだと思います。
次回につながる話
次回は、
「我慢してきた自分を、どう扱えばいいのか」
について書きます。
ずっと断りたかった自分を、
責めるのではなく、
どう迎え直せばいいのか。
その話です。
最後に
もしこの記事を読んで、
「私もず、っと断りたかった」
「でも、それを言えなかった」
そう感じたなら。
それは、あなたの弱さではありません。
断れない世界で、
必死に自分を守ってきただけです。
この連載が、
断れなかった自分を責める場所ではなく、
そっと迎え直す場所になれたら嬉しいです。
