
先日、息子の個人懇談がありました。
先生は学校での様子を一つひとつ丁寧に話してくださいました。
その中で、とても印象に残った出来事があります。
息子がお友達にちょっかいを出してしまったことがあったそうです。
そのあと、先生が様子を見ていると、息子は逃げることなく、その子のところへ行き、泣きながら「ごめんなさい」と謝ったそうです。
その話を聞いた瞬間、私は胸がいっぱいになりました。
以前の私なら、
ちゃんと謝れて偉いね。
そう思って終わっていたかもしれません。
でも今回は、違いました。
私の心に浮かんだのは、
この子は、安心して育っているんだ。
という言葉でした。

その帰り道、私は息子の姿と、自分自身の子ども時代を重ねながら、安心とは何だろうと考えていました。
安心とは、失敗しないことなのでしょうか。
それとも、失敗したあとにこそ見えてくるものなのでしょうか。
目次
個人懇談で先生から聞いた息子の姿
泣きながらでも逃げずに「ごめんなさい」が言えた
息子は、失敗しない子ではありません。
友達にちょっかいを出してしまうこともあります。
でも、その日は違いました。
泣きながらでも、相手のところへ行き、「ごめんなさい」と伝えたそうです。
先生は、その姿をとても印象深く話してくださいました。
私はその話を聞きながら、
失敗しないことよりも、
失敗したあと、どう向き合えるかの方が、ずっと大切なのではないかと感じました。
私はなぜ胸がいっぱいになったのか
「ちゃんと謝れた」ではなく「安心して育っている」と感じた理由
私は、謝れたことだけが嬉しかったわけではありません。
胸がいっぱいになった理由は、
息子が安心して失敗できる環境の中で育っていることを感じたからでした。
安心できる子は、失敗しないわけではありません。
どんな子でも失敗します。
友達とぶつかることもあります。
思わず意地悪をしてしまうこともあります。
でも、
失敗した自分はダメだ。
と思って逃げるのではなく、
やり直せる。
と思える。
その違いが、とても大きいのではないかと思いました。

安心できる人は失敗しない人ではない
失敗しても戻ってこられる場所がある
帰り道、私の中で一つの言葉が浮かびました。
安心できる人は、失敗しない人ではありません。
失敗しても、自分を失わない人です。
そして、自分に戻ってこられる人です。
私たちは、大人になるほど失敗を恐れるようになります。
間違えたら嫌われる。
迷惑をかけたら価値がなくなる。
期待に応えられなかったら認めてもらえない。
そんな思い込みを抱えながら生きている人も少なくありません。
でも、本当に安心できる場所とは、
失敗しない場所ではなく、
失敗しても戻ってこられる場所なのだと思います。
大丈夫。
またやり直せばいい。
そう思える土壌があるから、人は前を向けるのです。

私自身は「もっと頑張らなければ」の土壌で育ってきた
責められないように生きることを覚えた子ども時代
私は子どもの頃、
もっと頑張らなければ。
ちゃんとしていなければ。
そんな気持ちで過ごしていました。
間違えることが怖く、
怒られないように、
責められないように、
期待を裏切らないように。
いつの間にか、それが当たり前になっていました。
だから大人になってからも、
何かうまくいかないことがあると、
私が悪かったんだ。
と、自分を責める癖がありました。
もっと努力すれば。
もっと学べば。
もっと変われれば。
そう思い続けてきました。
でも今振り返ると、
私が本当に必要としていたのは、
もっと頑張ることではありませんでした。
安心して、
そのままの自分でいられる場所だったのです。
安心できる土壌は大人も育て直せる
私自身も、完璧な母親ではありません。
私は息子に感情的に怒ってしまうことがあります。
でも、そのたびに怒りすぎたね、ごめんねと謝り、
あなたが大好きだよと伝えてきました。
あの時間は、私が完璧な母親になろうとしていた時間ではありません。
失敗しても関係はやり直せることを、親子で一緒に学んでいた時間だったのかもしれません。
だから私は、今回息子が泣きながらでも「ごめんなさい」と言えたのは、
関係の中で、自分は受け入れられている。
そんな安心感があったからではないかと思いました。
失敗したら嫌われるのではなく、
失敗しても関係は終わらない。
やり直すことができる。
そんな感覚があるからこそ、人は勇気を出して「ごめんなさい」と言えるのかもしれません。
これは子どもだけではなく、大人も同じなのではないでしょうか。
失敗したら受け入れてもらえないと感じていると、人は自分を守ることで精一杯になります。
でも、失敗しても大丈夫と思える安心があると、自分の非を認めたり、もう一度やり直したりする勇気が生まれます。
安心すると人は自然に育ち始める
息子の姿を見ていて思うことがあります。
人は、安心できる土壌があると、
無理に変えようとしなくても、
少しずつ自分の力で育っていくのだということです。
これは子どもだけではありません。
大人も同じなのだと思います。
もっと頑張らなければ。
という土壌ではなく、
今の私でも大丈夫。
という安心の土壌があると、
人は自然と学びたくなり、
挑戦したくなり、
人とつながりたくなります。
成長とは、
自分を否定して変えることではなく、
安心の中で、本来の自分を思い出していくことなのかもしれません。

安心とは自分に戻れる場所を育てること
個人懇談で先生から聞いた息子の姿は、
私に安心とは何かを改めて教えてくれました。
安心とは、
失敗しないことではありません。
失敗して、
自分を責め続けることでもありません。
安心とは、
失敗しても、自分に戻ってこられる場所があること。
その土壌があると、
人は誰かに変えられるのではなく、
自分の力で少しずつ育っていきます。
もし今、
もっと頑張らなければ。
そんな気持ちで毎日を過ごしているなら、
自分に問いかけてみてください。
私は今、自分が育ちやすい土壌に立っているだろうか。
もし答えがまだ分からないでも、大丈夫です。
人はいつからでも、自分を育てる土壌を選び直すことができます。
安心とは、失敗しない人生ではありません。
何度でも、自分に戻ってこられる場所を、自分の中に育てていくこと。
私は、そんな安心をこれからも育てていきたいと思っています。
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私たちは、気づかないうちにもっと頑張らなければという土壌で生きてしまうことがあります。
でも、本当に人を育てるのは、自分を責め続けることではなく、安心して自分に戻れる場所です。
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